理事長コラム

Director's COLUMN

フレッシュな声に耳をすませて——実習生・新卒が気づかせてくれること

歯科医院のスタッフが口腔内スキャナーの操作を研修している様子

こんにちは。

神奈川県湘南エリアで4医院を展開するゆめの森歯科の理事長、宮前です。

日々の診療や、教育を担当する先輩スタッフたちとの対話を通して、私が改めて大切にしなければならないと感じていることがあります。

それは、「1年目の気持ち」を忘れずにいることです。

日々の業務に慣れてくると、気づけばそのやり方や流れが“当たり前”になってしまい、そこに疑問を持つことが少なくなっていきます。

すると、実習生や新卒の子たちが感じる「これって何でだろう?」とか、「もっとこうした方が良いのに」といった、新鮮な視点を持つことを忘れてしまうんですね。

そんな中で、実習生や新卒スタッフの存在は、私たちに初心を思い出させてくれる貴重な存在なのです。

新人の「気づき」は、私たちの原動力

新人スタッフが仲間に加わると、最初は何もわからず不安も多いと思います。ですが、だからこそ見える新しい視点や意見を彼らは持っています。

私たちが当たり前だと思っている日々の業務のやり方や考え方も、新人の目には「なぜ?」と映ることがあります。その素朴な疑問や気づきには、組織がより良くなるヒントがたくさん隠れています。

とくに、ゆめの森歯科のように長い歴史を持つ組織では、次第に「こうであるべき」という考えが固まり、固定観念が生まれやすくなります。けれど、新しく加わったメンバーのフレッシュな視点が、そんな凝り固まった価値観に風を吹き込み、新しい発想や変化のきっかけを与えてくれます。

数ヶ月も経てば、新人スタッフも環境に慣れ、だんだんとその「当たり前」に順応していきます。 だからこそ、入職して間もない時期に感じた違和感や率直な疑問を、ぜひどんどん私たちに伝えてほしいですし、大事にしていきたいと考えています。  

経験と新しい視点が、組織を育てる

もちろん、これまで積み上げてきた経験には大きな価値があります。しかし一方で、長く同じ環境に身を置いていると、「こうあるべき」といった固定観念にとらわれて、視野が狭くなってしまうことも事実です。

だからこそ、新人に教える場面は、自分自身が1年目だった頃の気持ちを思い出す貴重なチャンス。

新人に業務を説明するときって、普段何気なくやっていることを「どう伝えたら分かりやすいだろう?」と立ち止まって考えますよね。 それが、自分の中での理解を整理する時間になったり、忘れかけていた基本を思い出すきっかけにもなります。

そして、実習生との何気ない会話の中にも、「あ、そんなふうに見えていたんだ」とハッとする気づきがたくさん詰まっています。  

彼らの率直な声は、私たちが気づけなかった視点を教えてくれますし、そういった声に素直に耳を傾け、柔軟に受け止めることで、組織も、私たち自身も、もっと成長できるんです。

「育てる」ではなく「育ち合う」チームへ

スタッフ研修で口腔内スキャナーの3Dデータを確認している様子

ゆめの森歯科は、決して完成された組織ではありません。

15年の歩みの中で少しずつ形をつくってきましたが、「これが完成形」と決めつけてしまった瞬間に、成長は止まってしまいます。  

だからこそ、実習生や新しく入ったスタッフが持っている「違和感」や「新しい視点」を、私たちはとても大切にしています。

「こうした方がもっとよくなるかもしれない」「こういうやり方もありますよね」など、そんな言葉を受け入れられる環境があるからこそ、組織はもっとよくなれるし、教える側の私たち自身も学び続けることができます。

新しいメンバーが増えるたびに、組織にも新しい風が吹き、私たち一人ひとりも変化し、成長していく。

教育とは一方的な「指導」ではなく、互いに学び合い、育ち合うプロセス。私たちは、そんな「育ち合う」チームをこれからも目指していきます。