家族と何気ないコミュニケーションを楽しんでいたり、親しい人と話していたり、リラックスした時間を過ごしていたはずなのに、「口臭が気になる」と指摘され、不快な気分になったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
口臭対策は、人と関わるうえでは欠かせないエチケットの一つです。自分ではなかなか気がつきにくく、また親しい間柄でなければ指摘し合うこともできないため、知らない間に、歯みがきでは改善できないほど口臭がひどくなっていた、というケースも珍しくありません。
自分でもわからないうちにまわりの人に不快感を与えることがないよう、口臭にはとりわけ注意が必要です。また、口臭が実は病気のサインとなっていることもあるので定期的なチェックを心がけましょう。
口臭の原因として多い歯周病の治療と主な症状についてご紹介します。
口臭にはさまざまな原因が考えられますが、そのなかでもっとも多いものが歯周病です。
歯周病とは「歯肉炎」「歯周炎」とも呼ばれる、細菌によって引き起こされる病気です。歯周病菌が歯周組織に炎症を起こし歯周組織を破壊することで、歯茎や歯根に深刻なダメージを与えます。歯周病がひどくなると歯茎の出血や口の中の不快感が出てくると同時に、口臭が目立つようになります。
歯周病によって歯周ポケットができると、口のなかに生息する細菌がさらに繁殖し、その過程で「硫化水素」「メチルメルカプタン」などが作られます。これが、歯周病による口臭の原因です。
歯周病による口臭がある場合、放置しておくと歯周病が悪化してしまいます。口臭を軽減するためにも、歯周病治療をしっかり受ける・ブラッシングを正しくしっかり行うことが必要になります。
歯周病はどんなにブラッシングしても取り除けない口臭の原因になるだけではなく、身体に深刻なダメージを与えるというリスクもあります。
歯周病菌は口腔内だけでなく、唾液や血液を通して全身に回るケースがあります。全身に歯周病菌が回ることで、糖尿病や心臓病、肺炎などの病気が引き起こされたり悪化したりする可能性があるのです。
歯周病は全身にわたる病気に影響を与えることが研究の結果明らかになりつつありますが、なかでも糖尿病との関係性が深いと考えられています。2つの病気の確固とした因果関係を特定するまでにもう少し研究の成果を待つ必要がありますが、「歯周病の患者さまが、糖尿病にかかるリスクが高い」「糖尿病にかかっている患者さまが、歯周病にもかかった」などのデータが多く出てきています。さらに、歯周病が糖尿病を悪化させるケースや、歯周病の改善に比例して、糖尿病の検査数値も改善するというケースも多く報告されています。
軽い症状でも歯周病を軽視せず、治療と予防を意識していくことが大切です。
歯周病の症状が進行すると、あごの骨がダメージを受け、歯を支えられなくなります。そしてその結果として必要になってくる処置が、抜歯です。
1本でも歯が抜けることは、周りの歯や全体のかみ合わせ、また身体へのダメージにつながります。さらに天然歯を失い「入れ歯」が必要になることで精神的なショックをももたらすことがあります。そのような結果を招かないためにも、歯周病には早い段階からの対策が必要です。
歯周病は口臭だけでなく、歯茎や口のなかに違和感も与える病気です。特に以下のような症状に心当たりがある場合は、できるだけ早めに歯科クリニックを受診しましょう。
・ブラッシング中に、歯茎から血が出る
・口の中がネバネバしていて気持ちが悪い
・歯と歯の間に食べ物がはさまる
・歯に大きく穴が開いている
・歯茎が腫れ、ピンク色から赤、紫色になっている
このような症状が気になるなら、すでに歯周病が始まっていたりある程度進行していたりする可能性が考えられます。
歯周病は歯茎や歯の骨、さらには全身にまでダメージを与える病気である反面、重症化するまで「痛み」などの自覚症状がわかりづらいという特徴もあります。
「歯周病が気になって歯科クリニックを受診した」という患者さまでも、ある程度症状が進行しているケースがほとんどです。ご自分で意識できていないと症状はどんどん進行していきますので、わずかな異変でも見逃さず、歯科クリニックで確認してもらいましょう。
歯周病と口臭対策には、早いうちからの治療と定期的な検診が必要不可欠です。ゆめの森歯科では症状に対しての治療とデンタルケアをおこなっていますので、ぜひ口臭と歯周病対策にお役立てください。
スケーリングとルートプレーニングは、歯の表面や歯根面についた歯石やバイオフィルム(細菌のかたまり)を取り除くための方法です。ブラッシングでは取り切れない汚れにアプローチし、歯周病菌のダメージを受けにくい口腔環境へと整えていきます。
スケーリングとルートプレーニングをおこなうことで、歯周病の予防と同時に口臭の軽減が期待できます。口臭を減らしつつ健康な腔環境を手に入れたい方に、おすすめします。
歯周病治療やケアを受けていただくと、口のなかが清潔な状態へと改善されます。清潔なお口を長くキープするために定期的な受診をおすすめします。
1度クリーニングを受けても3か月後(人によって差異があります)には歯石やバイオフィルムが歯に定着すると言われているため、また口腔環境が悪くなってしまう恐れがあります。3~4ヵ月に一度の通院を続け、歯周病菌のダメージを受けにくい口腔環境を整えていきましょう。
人に相談しにくい悩みである口臭。対策が遅れるとエチケット面だけでなく、歯周病が進行し、健康面でも楽観視できない状態になってしまいます。
そのような悩みとリスクを解決するためにも、ぜひ一度口臭についてご相談ください。口臭や歯周病に対して専門性の高い歯科衛生士が歯周病治療とデンタルケアをおこないます。患者様の生涯の健康に寄り添うため、定期的なケアをお受けいただくために担当制で対応させていただきます。
口臭を改善しながら、お口と身体の健康をご一緒に促進していきましょう。
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